
以前、ドミニカ共和国のカカオ生産者たちは、カカオを粗放栽培していて、仲買人のトラックが通ると、その場でカカオを売っては現金を得ていました。これではカカオの品質は向上しないし、生活も安定しません。そこでスイスのチョコレート生産者団体は、1999年、カカオ農家との共同プロジェクトを開始しました。カカオの買取システムを確立し、2001年にはカカオの加工施設を建設。カカオ豆を新鮮なうちに運び、均一に発酵・乾燥できるようになり、品質アップにつながりました。
更なるカカオの品質向上と、農家の自立のためにも、「生産したカカオを安定的に購入する」「カカオの有機栽培のワークショップや指導を行う」「有機カカオに高い値段を付ける」「プロジェクト参加の農家には、カカオの苗を原価で提供する」「子どもの強制労働はさせない」といった約束をしています。現在この地域の約800農家が同プロジェクトに参加。加盟農家は、年々少しずつ増えています。
カカオ生産者たちは余剰資金で学校を作ったり、コミュニティ全体の利益にも貢献出来るようになり、「自分たちの事は自分でできるんだ」という誇りとモチベーションが農家に広がっています。
(第3世界ショップ)
