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フェアトレード商品の品質

さて、前回フェアトレード商品の品質に対して対価を払うべきと書きましたが、その続きです。

フェアトレード商品は高いのに品質が低い、ともっぱら言われてきました。
事実、過去において手工芸品でそのような商品をよく見ることはありました。

フェアトレードが西洋のキリスト教圏で始まり、チャリティーがその精神の基本であったため、商品の品質が前提でなく、支援が前提であったためです。言い換えれば、支援なので商品は何でも良かったのです。しかしながら当然それは長続きしません。現実として初期のフェアトレード商品の取引量は年々下がり続けていました。

さらに問題なのが生産者に対する購入者の見方が変わってしまうことです。

第一次産品で言えば、一定の価格を保障して貰えたり、定量の買取が保障されたりすることで、生産者の向上心が無くなり、品質の低下に繋がります。

手工芸品などで言えば、品質よりチャリティーが優位に立つため、これも支援慣れとなることになり向上心が薄れます。


ではフェアトレードは間違いなのか?


ここで大切なのが、フェアトレードが支援が第一義の目的でなく、品質向上が第一義となるべきであったと言うことです。

品質向上の為に必要なことは生産者がよい製品を作ることが出来る環境です。
子どもを学校に通わせること、女性が社会に出られること、生産者自身が教育を受けられることなど、その環境づくりをすることが品質の良い製品を作る条件になると言うことです。

もちろん最初はある程度の支援、投資が必要になりますが、その環境づくりにお金を使えるように、生産者は努力をし、良い品質の商品を作らなくてはなりません。良い製品に対して適正な価格を支払えるシステムと価値観を構築していくことが大切です。

そうする事によりフェアトレード商品は品質が高く、買う人もそれに見合った金額であると納得がいくのです。

事実、福猫屋で人気のあるフェアトレード商品として、パレスチナオリーブオイルや石けん、チョコレートなどがあります。これらの商品は、フェアトレードであるからという事でなく、その品質で購入されていると思います。なぜならリピート率が非常に高いということと、実際価格としても一般商品よりは高いのですが、グレードからすると安いという納得感があるからです。

そして持続可能な生産手法、有機農業であったり、伝統的な技法であったりとすることで、社会的にその価値を見直され、必要とされるようになってきていると感じます。


しかしながら、現実としてまだ品質と価格が伴わないものも多くあります。
たとえば、大手カジュアルブランドの衣料品とフェアトレードの衣料品で同じアイテムを作ったとすると、カジュアルブランドの製品はデザイン品質とも高く、かつ価格も安い。反対にフェアトレードの衣料品はデザインも悪く品質も低いのに価格は高いと言うことになります。

だれもフェアトレードの物は買いませんよね。

事業規模の違いがあるので当然ですが、ではどうするか。まずは同じものは作らないという事です。手仕事や伝統的な手法など異なる価値を活かす事です。

NGOは支援のプロですが、アパレルの専門家ではありません。洋服一つ作ったことの無い学問肌の人間に、衣料品の企画販売マーケティングが出来るはずがありません。(これは批判ではなく分野が違うと言うことです)

ですので、いまだに職業訓練の製品を高値で売っていたりするのです。職業訓練はプロジェクトで出来た資金で運営し、製品は熟練専業者の工房で作るのが当たり前、と考えるのが一般の私たちの価値観だと思うのですが、NGOの方には、残念ながら結構そのあたりが分からない場合があるです。

最近やっとデザイナーと提携する団体も出てきましたが、現状ではまだ、良くてもパタンナーを抱えている程度というのが、いまの日本のフェアトレード団体の現状です。

その理由として日本のNGOが、フェアトレードという概念を最初から持っていなかった場合が多いからです。それは様々な人道支援などから始まり、支援として現地製品の販売をはじめた団体が殆どなのですが、その活動をフェアトレードという分野に移行させるという意識が無かったからです。

フェアトレードという言葉が独り歩きし始め、その言葉に便乗してきたような状況であることは否めません。事実、自分たちの販売活動はフェアトレードではないといっていた団体が、今ではフェアトレードという文字を頭につけている事もあるのです。

餅は餅屋というよい言葉が日本にはあります。プロジェクトの立案と商品の企画は別の専門部門で協働していくべきであると思うのです。そうならなければ、いつまでたっても価値ある製品として市場に出て行くことは出来ません。

日本のフェアトレードをどう変えていけるのか。
それは生産者の自立よりNGOの自立を求めることかもしれませんね?!




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