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【2017年03月30日】

小麦と遺伝子組み換えに関する誤解

昨今、インターネット等で小麦のほとんどが遺伝子組み換えであるかのような誤った情報が流れていますが、小麦は現在、アメリカにおいても小麦の遺伝子組み換えは許可されておりませんので、GMO小麦は世界には流通しておりません。

中には世界の小麦の99%は某有名財団により遺伝子組み換えにされているという陰謀論まで流れています(信じる信じないは自由ですが(-_-;))。

海外の有機認定機関は、遺伝子組み換えはオーガニック認定をしませんので、認定小麦はその点も安心です。

大変分かりやすいサイトがありましたのでリンクしておきます。

https://gmo.luna-organic.org/?p=714

(小麦に関する誤解)サルでもわかる遺伝子組み換え

インターネット上にある遺伝子組み換えに関する情報には、間違ったものが多々見受けられます。
悪意をもって騙そうというわけではなく、良心から発せられた警告なのだけれど、勘違いや知識不足から事実に反することが書かれている、というケースが多いのです。
昨日もそんな記事のひとつが、メーリングリストで回ってきました。

【世界ニュースの裏 アメリカの肥満大国は小麦のせい? – 遺伝子組み換え小麦とTPPの危険性】

この記事には遺伝子組み換え小麦のせいで、アメリカ人は病気になっているようなことが書かれていますが、遺伝子組み換え小麦の商業栽培はアメリカですらまだ始まっていません。(※参考資料1)
(間違って事故的に生えてしまった、ということはありましたが)
大豆やトウモロコシなどが家畜の餌や油の原料になるのと違い、小麦は直接人間が食べるものなので、さすがのアメリカでも拒否反応が激しく、いまだに認可されないのです。
この記事の中に紹介された動画を見ると、アメリカ人のドクターが、小麦の問題について語っており、現代の小麦は、昔の小麦と遺伝的にまったく別物なのだ、というような話をしています。しかし、それは交配による品種改良によって、昔の小麦と今の小麦が別物になってしまった、というだけの話であり、今市場で流通している小麦が遺伝子組み換えであると言っているわけではありません。「遺伝子」とか「遺伝子組み換え」という言葉もインタビューの中に何回か出てくるため、このブログの筆者が勘違いしてしまったものと思われます。
司会者:Why in your estimation is wheat so bad?
(あなたの評価では、どうして小麦はそんなに悪いのですか?)
ウィリアム・デイヴィス博士:It’s not wheat.
(それは小麦ではありません)
It’s 18 inches tall plant created by genetics reserach in 60’s and 70’s.
(それは遺伝子研究によって60年代から70年代にかけて生み出された18インチの植物です)
ここで言及されている、60年代から70年代にかけて開発された小麦というのは、「緑の革命」と銘打った品種改良プロジェクトが行われた頃に生み出された、背が低く(=穂が重くなっても倒れない、また茎をつくるべき養分が穂の方に行く、というメリットがあります)、収量が多い(多くの肥料や多くの水をやるなどの条件付きでですが)小麦を指していると思われます。
「それは近代的な遺伝子操作技術より以前につくられたものです」とこのドクターも言及しているとおりで、「遺伝子組み換え技術が誕生する以前の技術」すなわち交配による育種で作りだされたものでしょう。(※参考資料2)。
遺伝子組み換え作物がアメリカで(そして世界で初めて)認可されたのは 1996年のことです。(※参考資料3)
60年代~70年代には、技術はまだそこまで発達していませんでした。
品種改良によって、現代の小麦はたん白質が複雑化して、消化されにくくなっている、という話は他でも聞いたことがあります。
そうした事情を考慮してのことでしょう、品種改良されていない「古代小麦」でつくったパンやパスタも最近流行っているようです。
☆参考資料1 モンサント社ウェッブサイト「世界での作付面積」
https://www.monsanto.co.jp/data/plantarea.html
とうもろこし、大豆などの遺伝子組み換え作物の作付面積が記されていますが、小麦はどこにも書かれていません。これは遺伝子組み換え小麦の商業栽培はいまだに行われていないことを意味しています。
☆参考資料2「Wikipedia 緑の革命」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%91%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD
の中の「農業生産と食料安全保障」の項の「テクノロジー」で書かれているような 技術がここで言及されていることだと思われます。
☆参考資料3「Adoption of Genetically Engineered Crops in the U.s.」アメ リカ農務省データ
https://www.ers.usda.gov/data-products/adoption-of-genetically-engineered-crops-in-the-us.aspx
トップページにも
This data product summarizes the adoption of herbicide-tolerant and insect-resistant
crops since their introduction in 1996.
とあり、遺伝子組み換え作物の導入が1996年であることがわかります。
また、このページ、右下に
corn, upland cotton, soybean という3種の作物が挙げられているのは、これが アメリカで栽培される代表的な遺伝子組み換え作物であるからです。

Posted by fukunekoya at 00:35

グルテン悪者説について

この所よく聞くグルテン悪者説について、ちょっとどうなんだろうなあと思い調べてみました。

興味深いブログがあったので、紹介します。因みに、この説を唱えているデイヴィス博士の説に賛同している方の多くに、マクロビオティックやベジタリアンの方がいらっしゃいますが、氏は小麦だけでなく、穀物全てを食べるべきでないと主張され、肉と果物を摂ることを推奨していらっしゃいますね。

穀物全般が12,000年の間、人類を病で苦しめたという事ならば(古代ギリシャや江戸の日本でそんな事があったとは思えないのですが)、近年の小麦の品種改良の問題とは関係がないのでは?

この説のみをもって、単純に小麦を直接的に悪者にするには、様々な原因をもっと研究しなければ結論付けられないのではないでしょうか。

https://blog.sophiawoodsinstitute.com/…/%E4%BB%8A%E6%9B%B4%…/


ニューヨークタイムズ誌が掲載した主張

◾グルテンが、シリアック病を起こすというのは、誤った認識である。もともとシリアック病をもっている人が小麦などグルテンを含む食品を食べると自己免疫疾患のような症状を表すだけ。
◾米国民の3人にひとりが、今や、グルテンを避けた食品や料理を選択すると言われているが、グルテンを避けなければいけないシリアック病をもっている人は、人口の約1%のみ。
◾「小麦などの穀類が、人類の食事に加わったのは、わずか約12,000年前であるから、人類が、穀類を消化できるよう進化するにはあまりに短い時間しか経っていないため、穀類はそもそも人類の食事としてふさわしくない」というグルテン忌避者の主張は、同じ頃、人類の食事に導入された牛乳に含まれる乳糖を消化するための遺伝子を人類は既にもっている(スカンジナビア人のほぼ100%)ことを見逃している。1万年は進化にとって決して短い時間ではない。
◾シリアック病(+グルテン不耐症)の発症率は、小麦消費量の多い国に多く、一方、乳糖不耐症は、牛乳消費量の少ない地域(アジアなど)に多いことも、シリアック病と進化とは関係がないことの証ではないか。
◾米国の小麦の消費量は、過去数百年を見ると、決して増加しているわけではないが、シリアック病患者数は近年になってから増加している。これは、やはり、グルテンではなく、私達の生活に問題があるのではないか。 ◾フィンランドとロシアの隣接した地域同士の小麦消費量はほぼ同じだが、シリアック病発症者は、圧倒的にフィンランドの方が多い。2つの地域の違いは、フィンランドの地区に比べ、ロシアの地区の経済環境が悪く、衛生環境もよくないことのみ。
◾現代人は、衛生意識が高くなりすぎ、私達の免疫力を高めるように働く環境にいる一般的な病原菌を死滅させてきただけでなく、薬や抗生物質によって不必要に共生細菌を殺してきたことによって、腸内の重要な細菌を失ったことが、グルテンに対して問題を抱える人が増えた理由なのではないか。


この主張に対する医師(Dr. William Davis)の反論

◾人類はそもそも母乳を飲んで育つ動物であったことから、それが牛の乳であっても、同じ哺乳類の乳を飲むことへ体を適応させる進化にそれほど時間を必要としなかったのではないか。穀類を食べるという行為は、そもそも哺乳類の遺伝子にない行為で、農耕は人類が発明した行為であったために、未だに体を適応できる進化を遂げられていないのではないか。
◾牛乳については、乳糖を消化できるように人類は進化できたかもしれないが、牛乳特有のタンパク質カゼインを消化するまでには至っていない。カゼインが自己免疫疾患の原因ではないかとの研究報告があることを忘れてはならない。
◾同様に、小麦や穀類の糖分を分解する酵素アミラーゼを分泌できるよう人類は遺伝子を進化させてきたが、問題は糖分やグルテンだけではない。グリアジンと呼ばれる穀類特有のタンパク質(グルテンの成分)が、シリアック病だけでなく、その他の自己免疫疾患や肥満症の原因ではないかとの研究報告があることも忘れてはならない。
◾近年、増加傾向にある病気について、環境細菌や共生細菌と人類との関係が変容したからではないかとの見解には、同意する。しかし、その腸内細菌を変容することに一枚噛んでいるのが、穀類の摂取であるとする研究報告があることを見過ごしてはならない。
◾小麦に限らず穀類はいっさい食べない方が良い。

その他のグルテンとシリアック病に関する議論と研究報告

◾マーケット調査会社によれば、米国成人人口の約22%がグルテンフリー食品を好むと回答し、2012年から2014年におけるグルテンフリー商品市場が63%拡大、6兆円超の市場規模になっている。
◾米国マサチューセッツ州ジェネラル・ホスピタルのシリアック病治療研究センター(Celiac Research and Treatment)長によれば、「グルテンフリーは、単なるファッションに過ぎず。医療的必要性のない行動である。」とのこと。
◾グルテンとシリアック病との関係は明白だが、グルテン過敏症(グルテン不耐症)を訴える人の症状の真犯人は、グルテンではない可能性が指摘されている。その根拠として次の事柄が挙げられている。 ◾グルテンの成分であるグリアジンとグルテニンには、70もの種類が存在しているため、どの種類が原因物質であるか突き止められていない。
◾FODMAPs
(Fermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides and Polyols:発酵性オリゴ糖類、二糖類、単糖類と多価アルコール)と呼ばれる炭水化物が、過敏性大腸症候群(IBS)の典型的な症状を引き起こすことが報告されている。
◾グルテン不耐症と自己申告する被験者にFODMAPsを避けた食事を2週間続けさせた後に、グルテンを与えても症状が出なかった。IBS患者は、グルテン不耐症ではない。(Peter Gibson, M.D., at Monash University in Australia, 2011)
◾FODMAPsの主成分であるフルクタン(果糖から構成される多糖)は、穀類だけでなく、果物や野菜にも含んでいるものが多くあるため、FODMAPsを除いた食事を長期間続けることは困難だが、2週間から6週間除いた後、徐々に戻していっても症状の再発は見られなかった。(Jessica Biesiekierski, Ph.D., University of Leuven in Belgium)

◾現在の小麦は品種改良によって、大戦前の小麦よりも大量のグルテンを含むようになったことがシリアック病などの増加の原因ではないかという議論があるが、戦前・戦後の小麦のグルテンの含有量に変化はなかった。
◾小麦グルテンが、明らかな小麦製品だけでなく、キャンディやドレッシングや加工肉製品など幅広い加工品に使用されるようになったことで、現代人のグルテン摂取量は、戦前と比べ6倍になっている。グルテン摂取が人体の許容量を超えたことでグルテンによる病気が増加しているのではないかとの議論があるが、未だ、その真偽は検証されていない。
◾過剰な衛生環境が、免疫反応を狂わせたことによって引き起こしているとする「衛生仮説」も存在する。

まだまだ科学で白黒つけられるほどの確固たる証拠が見つけられていないことや、日々、新しい物質や栄養素の発見がなされていること等が、こうした議論を生んでいるのだと思います。特に、食物栄養学においては、肯定的な証拠と否定的な証拠の両方が、調査のやり方次第で得られてしまうことが、本当のことを分かりづらくしているように思います。
さて、皆さんは、どう思われますか?どうされていますか?

Posted by fukunekoya at 00:13

【2017年03月16日】

モンサントの農薬グリホサートとセリアック病の因果関係

昨今、小麦やそのグルテンが身体に害があると言われ、グルテンフリーや糖質制限を行っている方が多いようですが、セリアック病とグリホサートの使用量の相関グラフがあまりに一致しているところを見ると、一説による品種改良原因説などという話ではないように思われます。因みに、小麦の遺伝子組み換えはアメリカでも承認されていませんので、誤解も多いようですが、GMO小麦は現状では流通していません。


「モンサントの農薬グリホサートは現在、小麦など遺伝子組み換えでない作物の収穫直前に収穫を効率的に行うために使われるようになっています。プレハーベスト散布とよばれます。右のグラフは小麦のプレハーベスト散布に使われるグリホサートの量とアレルギーに関係するセリアック病の発生数の推移を合わせたグラフです。このグラフではもちろん、因果関係はわかりませんが、グリホサートの危険の可能性は十分あると考えられます。ゼンさんはNon-GMOに留まらず、グリホサートなどの農薬が一切使われていない有機食品の摂取に切り替えます。その結果、息子さんの症状は改善に向かったそうです。」
https://altertrade.jp/archives/13035

Posted by fukunekoya at 00:37


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