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【2013年12月24日】

パラグアイ ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ

日本語に約してくださった方がいらっしゃるので、そのまま転載させていただきます。
ぜひお読み下さい。
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ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ: (訳:打村明)
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。

Posted by fukunekoya at 23:36

【2013年10月23日】

I L O 駐 日 事 務 所 児童労働報告【カカオ】

カカオ


チョコレートは熱帯のカカオの木から生成される。カカオの木は温暖で雨量の多い気候で育ち、高さは7.5メートルに至る。また、種子のさやは固い殻に覆われ、長さ30センチ・厚さ10センチほどになる。木々は収穫のために約3メートルほど枝打ちされ、種まき後18ヶ月から30ヶ月ほどの間に実をつけ始める。主な産品はカカオバター、カカオペースト、チョコレートリキュール、ココアパウダーなどである。

カカオ産品に対する世界の需要は依然高く、カカオ貿易の83%を3つの企業が占めている。一方、世界の供給量の70%はカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアの小規模農家によって生産されている。他の主要生産国としては、ブラジル、インドネシア、エクアドル、ベネズエラが挙げられる。1998年から2001年にかけて世界の価格指数は半減した。このようなカカオ価格の低下は生産者に打撃を与え、児童労働を余儀なくさせるであろう。カカオの栽培・収穫は労働集約的で多大な時間と労力を要する。主な作業を以下に挙げる。

  • カカオ豆の収穫用機械がないため、手でさやを摘みとる。労働者は高い位置にあるさやを刈り取るために、長い棒にかぎ状の短い刃をつけて使う。熟した実を探しあて、樹皮を傷つけないで切り取るためには熟練労働者が必要とされる。
  • 殻を取り除く。さやはかごに集められ、畑の端に運ばれる。厚い殻はマシェティと呼ばれる長い刃で数回叩くことで切れ目を入れて割ることができる。それからパルプに覆われたカカオの実を取り出し、殻を捨てる。
  • 実を発酵させる。労働者は実を箱に入れて積み上げ、バナナの葉で包む。実を発酵させるため3日間から9日間そのままにして、深い濃い茶色になった時点で作業が終わる。
  • 実を乾燥させる。発酵させた実をマットや積み上げ可能な皿に敷いて太陽熱で乾燥させる。作業速度を上げるために乾燥機を使用する農家もある。
  • 実を60キロから90キログラム入れることができる布袋に詰める。

西アフリカでは、子どもはマシェティを使って畑を切り開き、殺虫剤を使用して、さやの収穫後実を取り出す。また、この地域では子どもを労働力として使うために人身売買や強制労働が行われてきたことが明らかになっている。

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主な健康・安全上の問題

  • 力の必要な反復作業や重く扱いにくい荷物をもち運びことによる筋骨格の損傷
  • 熱中症
  • 皮膚がん、熱中症に至る可能性のある高レベルの太陽露出
  • 刃物による傷(擦り傷や小さな傷から重症にいたるまで)
  • 皮膚の擦り傷
  • 殺虫剤の使用と汚染による中毒、長期健康障害
  • 落ちてくるさやとの衝突
  • 蛇咬症、虫刺され
  • 長時間労働
  • ストレス
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国際熱帯農業研究所はカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアの4カ国にわたって約1500の農場を調査した。その結果、何十万もの子どもたちがカカオ農場で危険な仕事に携わっていることが明らかになった。最も重要な統計データを以下に挙げる。

  • 284,000人の子どもがマシェティを使って畑を切り開いている。
  • 153,000人の子どもが防護用具なしで殺虫剤を使用している。
  • 他の子どもはカカオのさやを摘み、豆を取り出すため切り開く。
  • カカオ農場の64%の子どもは14歳以下で40%は女子である。

児童労働者の多くはブルキナファソ、マリ、トーゴのような貧しい国の出身である。両親は子どもが仕事を見つけ、家庭に仕送りできると考えて彼らを売る。しかし、一度家庭から離れると少年は奴隷と変わりない状況で働かされる。コートジボワールだけでも約12,000の子どもには親戚がおらず、奴隷として売買されたことを示唆している。

子どもは朝の6時から一日12時間以上働き、常に疲れ果てている。児童労働をしている子どもは他の子どもたちに比べ、就学率が低い。例えば、コートジボワールでカカオ生産に関わる世帯の就学年齢の子どもの三分の一は就学していない。働いていない子どもの64%が就学しているのに対して、就学しているのは34%にすぎない。また現地農家の子どもの71%が就学しているのに対して、移民カカオ農家の子どもは三分の一しか就学していない。

全ての場合において女子の就学率は男子に比べて低い。

このような児童労働者の多くはチョコレートを見ることも味わうこともない。

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2001年12月、世界のチョコレート・カカオ産業は共同声明に署名し、西アフリカのカカオ栽培・加工における最悪の形態の児童労働と強制労働を撤廃する必要性を訴えかけた。他には労働組合・非政府組織(NGO)・国際反奴隷制協会・人権擁護団体・消費者団体が署名した。

このような動きにより、2002年7月国際ココア・イニシアチブ(Working Towards Responsible Labour Standards for Cocoa Growing)と呼ばれるチョコレート・カカオ産業の資金提供による基金が設立された。

IPECの西アフリカ・カカオ農業プロジェクトは、コートジボワール、カメルーン、ガーナ、ギニア、ナイジェリアにおけるカカオ及び他の農業部門で危険な児童労働の防止撤廃に取り組んでいる。


I L O 駐 日 事 務 所 児童労働報告
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sectorial/agricult/05.htm

Posted by fukunekoya at 08:55

【2011年06月09日】

97円の醤油とは?

先日、近所のスーパーで目にしたのは、1リットル97円の醤油、目を疑いました。

輸送コストや容器代を考えても、通常の醤油の原料原価より安いのではないかと思うのですが・・・。
どのようにすればこのような低価格な醤油が作れるのか、原材料を見てみました。

主原料は脱脂大豆、その他沢山の添加物とアミノ酸で作られていました。
恐らくは脱脂大豆を科学的に分解し、アミノ酸で味をつけた醤油もどきなのでしょう。(ちなみに脱脂大豆とは大型機械でノルマルヘキサン(ベンジンの主成分)という有機溶媒を使い油分をとりだす抽出法で製油した、大豆油の絞り粕です)

もともとこの「アミノ醤油」は、戦後の物不足の時に開発された、ごく短時間で製造できる代用品ですが、最近はこのような醤油は見かけなくなったので、都内で見たのは驚きでした。

以前住んだことのある長野県のある地方で、このアミノ醤油が大きなボトルで販売されていて、まだ地方では残っているのだなあ、と思っていましたが、東京で売っていると言うことは、またまた復活してきたと言うことでしょうか?

デフレや不況でとにかく低価格なものばかりが望まれています。そのため、昔から伝統的に培われてきた良質な物が失われ、粗悪なもどき品が台頭してきます。

目先の損得のため、少しでも安いもののため、本物の味が失われ、伝統的な技術や製法が失われることは取り返しのつかない損失になるだけでなく、人間の身体にも保障の無い実験を繰り返しているような物です。

安いものを買うことは、社会的に弱い立場の生産者の生活を犠牲にしていると言うことは度々お話させて頂いていますが、子供たちの将来や身体をも犠牲にしているとも言えます。97円の代償はどのくらい高くつくことでしょう。

醤油を例にしてみれば、本来私たちの食卓に上るまで2年はかかるものです。合理性や経済性とは程遠いものですが、この豊かさは何よりも価値の高いものだと思います。

福猫屋でご紹介している井上醤油は、100年以上も前の江戸時代から続く蔵付き酵母が生み出す天然の醤油です。この時間こそが大切なものなのです。それに決して高い醤油ではありません。むしろこの品質では安すぎる位です。

安いものを求めることは大きな損失と代償を伴うということは、今回の原発事故で日本人みなが経験してしまったことです。その教訓は日常のいたるところで生かしていかなくてはならないと思います。

奥出雲 古式醸造醤油
http://www.fukuneko-ya.org/NF/inoueshouyu.html

Posted by fukunekoya at 23:45


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