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今、全世界で、家族の愛情も、子どもとしての当然の権利も与えられることなく、路上に弾き出される子どもたちが増えています。彼等は、バスターミナルや廃屋を寝ぐらとし、子どもたちだけで生活しています。親に見放された彼等は、物売り、車のガラス磨き、物乞いなどで毎日を送っています。“ストリートチルドレン”と呼ばれる子どもたちです。 ストリートチルドレンは多くの場合、国家が無理な発展を推し進めたために生まれた子どもたちです。開発政策による都市への産業と人口の集中によって、都市スラムが拡大し、貧しく悲惨な生活を強いられる家庭が増えた結果、すさんだ家をすて、路上へ出ざるを得なくなったのです。 今や、全世界で3000万人から一億人はいるといわれるストリートチルドレン。彼等は、第3世界だけでなく、荒廃した先進国の都市社会の中にも存在します。また、ストリートチルドレンにならないまでも、同じように心を傷つけられた子どもは、この日本にもいます。いじめや登校拒否、幼児虐待といった問題は、豊かな日本において、今起こっているのです。 私たちは、これ以上放置するわけにはいきません。現代を生きる私たちが未来に対して負った責任として、今こそ、この問題と取り組まなければならないのです。1990年、世界の首脳が集まって開かれた“子どものための世界サミット”では、2,000年までに実現すべき7つの主な目標が採択されました。その中には、
といったストリートチルドレンの問題と深く関わる項目も含まれています。しかし、現実の世界は、必ずしもそういった問題を真正面から受け止めた行動を起こしてはいません。また、社会の急激な変化は、親子の絆、家族の団欒といった、当然あるべきものまで奪っています。ストリートチルドレンは、まさにその犠牲者です。
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