タジキスタン 綿生産における児童労働(ACEメールマガジンより)
ドゥシャンベ‐(2007年7月14日) 検察当局は、タジキスタン南部の
綿花農場における児童労働の実態調査を始め、子どもたちは学校へ
継続的に通えず、綿花農場でわずかな報酬あるいは無給で働かされて
いるとしている。
タジキスタンやその他中央アジア諸国では、綿花摘みの作業に子ども
たちが使われていることは公然の秘密となっている。IOM(国際移民
機関)によると、タジキスタンで生産される綿の40%が、子どもたち
によって摘まれている。
調査によると、地元の政府局は、学校に対して毎年5月末には6-11学年
の生徒を農場へ働きに行かせるよう指導しており、また学校にはサマー
キャンプがあり、この間生徒は朝6時からおとなと同じように綿花農場で
働いている。ユニセフによると、中学校生徒は、農場で働くため、学校
のカリキュラムの約3分の1を逃してしまっている。
背景には、中央アジア諸国の中でも最も貧しい国タジキスタンでは、
綿生産者が、政府が設定した輸出用綿の割当て量を満たすため、圧力下
に置かれていることが挙げられる。タジキスタンの綿生産量は2001年
以降、年間平均50万トンだったが、2004年政府は2015年までに80万トン
に増加させる計画を立てた。しかし悪天候が原因で、生産量は2005年
44万8千トン、2006年44万3千トンと大きく減少した。そのため生産地
の指導者たちは、生産目標を満たすため圧力下にある。そして多くの
人々が季節労働者としてロシアへ出国するため、労働者不足はさらに
深刻化し、結果として子どもたちが農場で働かされる状況となっている。
また、綿生産農民は、稼ぎがほんのわずかか、全く無いか、あるいは
現金の換わりに農村で燃料に使われる乾燥した綿の茎を受け取り、
強制的に奴隷のように働かされている。農民はこのような仕事をもう
望んでいないため、子どもたちが働かされている。タジキスタン政府
は児童労働を禁止する国際条約に批准しているが、実際の取り組みは
行われていない。
出所:Institute for War & Peace Reporting
http://www.iwpr.net/?p=rca&s=f&o=337100&apc_state=henprca