2006夏メキシコツアー参加者の感想文

 池田弥歌子(大学生)

 成田空港。これから一緒に旅をするメンバーとの待ち合わせまで、あと数時間。この時、本当に心から後悔した。このツアーに申し込まなければよかったと。お腹痛い、心臓痛い、苦しいよ!私は精神的な病気をいくつか持っている。親からの愛情は痛いほど感じて育ってきたはずなのに、なぜだろう?中学生の時にある一冊の本と出逢い、私はそれからだいぶ良くなったとは思う。その本とは今回引率してくださった律子さんが書かれた、メキシコのストリートチルドレンを題材にした本。私はこの本を読み、私はなんて弱いのだろう、だけどあまり先のことは考えずに、今を生きよう、そう思った。それからずっとストリートチルドレンに興味を持っていて、そして今回このツアーを発見し、実際に自分の目で見てみたいと思って参加した。しかしどうだろう。旅どころではない。空港では本当に具合が悪く、後悔していた。それでも何とか皆と会って、旅が始まった。

 メキシコでの生活が続くと、どうしたことだろう。日本にいる時よりも調子が良かった。毎日吸収することが多く、頭の中は一杯いっぱいだったが、何よりもこのひと時を心から楽しいと思った。吸収した中でも一番印象が強かったことは、世界中におけるメキシコの自殺率。非常に低い。ストリートチルドレンが自殺した例は聞いたことがないと、あるスタッフから聞いた。本当に驚いた。もし私がメキシコに生まれ、ストリートチルドレンにでもなっていたら、間違いなく絶望状態に陥っているだろう。日本は現に自殺率がワーストワンと言ってもいいほど高い。メキシコ人と日本人の違いは何だ?この問いは今でも私の頭の中をグルグルと回っている。

 ストリートチルドレンと遊んでいる時も本当に陽気で明るく、一瞬深刻な問題ということを忘れてしまいそうになった。だがもちろん、性格からきているのかとても静かな子や一言も話さない子、常に淋しそうな目をしている子などを見ると、何か大きな爆弾を抱えているのだなと実感した。何を抱えているのだろう?彼ら、彼女たちとは全く違う環境で育ってきたけれども、自分と照らし合わせてしまった。

 このツアーでは6つものNGOを訪問でき、非常に充実している毎日だった。「カサ・ダヤ」という施設で出会った私と同い年のある女の子。彼女と交換したブレスレットが、今この私の腕に付いている。元気にしているかな?今何をしているのだろう?このブレスレットと一緒に、私も日本で頑張る!日本へ帰国してからは、多くの人にメキシコで感じたことを伝えている。ラッキーなことについ最近、大学のある授業でストリートチルドレンについてプレゼンテーションする機会があった。150人程生徒がいたが、ストリートチルドレンという言葉を知っている人からして、残念ながら非常に少なかった。伝えよう。今の私にできること。帰国してからは、メキシコで多くのパワーをもらったおかげか、少しは逞しい気持ちが持てたかなと感じている。勇気を出して行って良かった!

 最後に、きっかけをつくってくださった律子さん、篠田さん、愉快なツアーのメンバー、現地で出会った全ての方々、旅中心配してくれひた両親など、多くの方に感謝しています。ありがとうございました。

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