3月7日付 メキシコの新聞 LA JORNADA より
ストリート少女は語る:
政府からは“屈辱”しか受けたことがない
-ビセンテ・フォクス大統領は、その悲惨なドラマを終わらせよう、と申し出た-
フォックス大統領をじっと見つめながら、元ストリートチルドレンの少女、ナイェリ・モラーレス・ルイスは、こう言い放った。「政府や世の中は、私たちを罵り、虐待することしか考えてくれなかった」それを聞いた大統領は、返す言葉がなかった。
昨日、大統領官邸で行われた「路上に暮らす児童と若者をケアし、ストリートチルドレン現象を予防するための国家プログラム」の発表に、約25人のストリートチルドレンたちが招待された。出席した子どもは皆、すでに支援プログラムや施設にいるため、全員がきちんとした身なりで現れた。
「真実を包み隠さず、脚色抜きで話そう」と、行政の長は、子どもたちに正直に事実を語るよう、呼びかけた。そして、ナイェリは、その考えを述べることになった。「路上は(家庭ではなく、)路上でしかありません。つまり、(ストリートチルドレンである以上)私たちは、何事にも自分で立ち向かうしかないのです」
それは、ドラッグや暴力、警察、酷い扱い、社会の侮辱、空腹、すべてに対して、だ。「私たちに十分役立つ支援プログラムは今まで一つもなかった」と彼女は指摘した。
それに答えて、大統領は言った。
「ストリートチルドレンの、この悲惨なドラマを終わりにするために、懸命にがんばりましょう!これは大変な挑戦で、沢山の解決困難な障害がありますが、どんな目標も、まずは行動しながら様々な決断を下し、集団で協力して取り組むことによってのみ、達成できます。ほかに方法はありません。いますぐに気合を入れて、取り組みましょう」
彼は、「選挙運動中にストリートチルドレンと約束したことを必ず守る」と述べ、また「この問題を根底から解決するために、長期的な展望に立ったプログラムをつくり、政府と組織化された市民社会の双方が、その実行に大きな努力をするよう、導くことを約束する」と話した。「(国として、政府として)私たちは(この問題に対し)無責任かつ無関心すぎました。(この無数の子どもたちが)毎日酷い扱いを受け、虐待され続けているかぎり、私たちは 正義や自由、民主主義の話など、まともにできるはずがない」
この日発表されたプログラムの当面の目的については、「国立家庭の統合的発展機構」所長のアナ・テレサ・アランダが、次のように語った。「(今年度初期において、身元の判明した3千人のストリートチルドレン=)彼らは家庭との絆を完全に失っています。そうした子どもたちは、NGOや市・州政府との協力により、保健教育プログラムを通して、施設でケアされます」
これら3千人の子どもたちは、メキシコシティとプエブラ市、フアレス市、ティファナ市、モンテレイ市、グアダラハラ市といった都市部に暮らしており、それらの街はストリート暮らしの子どもの数が最も多い場所だ。
アランダはまた、「中期的には、公式調査で確認された1万1千人の、家庭との絆がないストリートチルドレンのケアをし、同時に家族との絆はあるが、家庭内に貧困以外の問題・・家庭内暴力、ドラッグ、家庭崩壊など・・を抱えた子どもたち13万人のケアも始めます」と語った。
3月7日付 メキシコの新聞LA JORNADA より
メキシコでは、未だに女性が差別されている
国連・国際婦人デーにちなんで
「国連女性開発基金」によると、メキシコでは、労働現場をはじめ、様々なところで、女性が差別され続けている。例えば、賃金では、女性は平均して男性の賃金の約70%しかもらえず、教育面でも男性より5%多い、13%が読み書きができない。
国際婦人デーを直前に、「国連女性開発基金」は、性による差別を示す幾つかの指標を明らかにした。教育面では、憲法第3条が義務教育を保証し、誰もが小中学校に通えるとうたっているにもかかわらず、女性は男性以上に学校教育から疎外されている。
識字率は全国的に女性の方が低いが、特に先住民人口の多い地域ではその傾向が深刻で、男性の28%が読み書きができないのに対し、女性は50%にも達っしている。
「基金」によると、女性の識字率が低いのは、成長につれて、家事に従事せざるをえない状況があるため、通学率が下がるからだという。
また、社会文化的背景が、女性の専門職選択にも影響を与えているという。高等教育機関にいる学生の約半分は女性だが、その大半は人文系におり、機械技術関係者は少ない。
研究機関においても、研究に従事する人は男性が圧倒的に多く、女性はわずかに28%だ。社会文化面での変化が進んでいるにもかかわらず、国民の10人に2人は今も、娘はどうせ結婚してしまうのだから、その教育にお金をかけるのは無駄だ、と考えている。
労働現場では、女性の7人に3人が労働市場に参入していると言う。その大半は、いわゆる「女性向き」といわれてきた職場にいる。店員、OL、家政婦などである。
家の内と外で働く時間を総計すると、女性の方が、男性よりも、一日平均6〜9時間多く働いていることになる。
「基金」によると、現在の労働環境として、女性にとって不利な要素は、保育所の欠如や妊娠・乳児保育を原因とする解雇、セクシャルハラスメントが、挙げられる。
働く女性の退職理由で最も多いのは、結婚と育児だ。一方男性の退職理由は、更に勉強するため、という場合が多く、育児のため、などというのは、決してない。
これらの内容は、女性問題に関するセミナーの開催を発表するための記者会見の場で、明らかにされたものだ。会場には、「カウサ・シウダダーナ(市民の主張)」のセシリア・ロリアや、国連女性開発基金・地域代表のグアダルーペ・エスピノーサ、保健省顧問統括員のミゲル・アンヘル・レサーナもいた。
ロリアは、働く女性の数が以前の4倍に増えた現在、新たな女性の健康問題が起きており、それに対応するための医療制度改革を提案する必要がある、と述べた。例えば、医療サービスの質を向上し、健康保険の適応のないインフォーマルセクター(正式な給金雇用制ではない、街頭商人や家政婦などの仕事)で働く女性たちも、安く治療を受けられるようにすることが不可欠、と話した。
この点について、「基金」は更に、女性の平均寿命が長いことは、彼女たちが男性よりも健康であるということを意味しているのではない、医療サービスへのアクセスは女性の方がむしろ閉ざされている、指摘した。
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