障害者が働くための施設を作るのではなく、普通のパン屋さんに、たまたま障害のある人も働いている、それがコッペです。

 

はじめまして、NPO法人麦の会の飯嶋と言います。障害のある人も共に働く場「コッペ」の運営をしています。障害者との出会いは全くの偶然。大学の時、たまたま入所施設にいる知的障害の子どもたちと遊びに行ったのがきっかけです。以来、思えば長いこと障害のある人と関わってきました。

 

 

障害に甘えることなく一般に流通できる商品を作りたい

 

コッペのある宮城県仙台市の松岡町は昔ながらの地名が残るのどかな住宅街。その地に1988年に産声をあげ、東北産の小麦とできるだけ安心な材料でクッキーとパンを作っています。障害者が働くための施設を作るのではなく、普通のパン屋さんに、たまたま障害のある人も働いている、それがコッペです。障害に甘えることなく一般に流通できる商品を作りたいと思っています。

 

障害メンバーの働き方は様々です。一通りなんでもできる人、袋詰めやシール張りが得意な人、作業はできないけどみんなを「監督」している人、配達が大好きな人。いろいろだけど何かしらみんなの手を通してクッキー・パンができてきます。一緒に働いている「リラックマ」さんはこう話します。

 

「私のおすすめはコーヒークッキー。お姉さんも大好きです。パンならチョコパン。いろいろな種類の形があって、子どもにも人気があります!」

 

(リラックマさんおすすめのチョコパン)

 

少しでも多くの人に知って食べてもらいたい

 

コッペで作っているクッキーの中には、フェアトレードで輸入された原料を使用しているものもあります。フィリピンの黒砂糖(マスコバド糖)を使ったネグロスクッキー、パレスチナのオリーブ油を使ったオリーブオートミールクッキー、中南米やアフリカの小規模生産者が育てた原料から作られたコーヒーを使った、コーヒークッキーです。

 

これらのクッキーを開発したきっかけは、原料の独特の風味が生かされるのはもちろんですが、いつもは支援される側にいることの多い私たちが、自分たちの技術で逆に少しでも貢献することができるという意味合いも大きいです。そのことは作っている障害メンバーの自信にもつながります。パレスチナの生産者がコッペを訪問されたこともありました。


現在の平均の給料は約5万。あと1万〜2万プラスして、障害年金と合わせ自立した生活ができるようにしていきたいです。そのために、私たちはこれらのクッキーをもっともっと広めたいと思っています。これらのクッキーが広まることで、コッペで働く障害メンバーの給料になるとともに、現地の人たちへの支援にもなります。そのことにより、障害メンバーや現地の人の自立に少しでも役立てたいと考えています。

 

しかし、一般の企業と違い営業に充てる資金も人も足りません。少しでも多くの人に知って食べてもらいたいです。どうか皆様のお力をお貸しください。

 



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