カサ・アリアンサ緊急メール情報より

      2004年4月30日付 中米で最も暴力的な都市、グアテマラ市  

 

 2004年3月、グアテマラ人権擁護局は、少なくとも3人の女性を殺害した容疑で、国家警察の警官を告発しました。同月、23歳未満の青少年殺害事件が55件も起きたことで、グアテマラは、中米の国々の中でも、子どもや青年にとって最も暴力的な国であるという烙印を押されることになりました。

「グアテマラ市におけるこれらの死は、事態の重大さを示しています。しかし、さらに深刻なのは、警察の捜査が、これらの犯罪が裁かれるべき迅速さをもって、犯人を特定するに至っていないという事実です。殺人者を刑務所に送ることが、どうしてそんなに困難なのでしょうか。なぜこの国の殺人事件は、そのたった5%しか解決されないのでしょうか」

 国際NGO「カサ・アリアンサ」の中米地域局長のブルース・ハリス氏は、そう話しました。

 報告された数字は、(全国ではなく)グアテマラ市に限ったものです。この街では、同時期にホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ3国で起きた同年代の青少年殺害事件の総数よりも、多くの事件が報告されています。

 「カサ・アリアンサ」は昨年グアテマラ市で、計747件の殺害事件を確認しました。月平均60人の死者が出ています。「カサ・アリアンサ・ホンジュラス」の法的支援プログラムは、全国で、557のケースを把握しました。

 「カサ・アリアンサ」の報告によると、グアテマラで起こった殺人のうち、52件(94%)は、銃器を使用して実行されました。他の2件については、警察が、遺体に火傷があったにもかかわらず、刃物による殺人だと断定しました。これらの殺人の犠牲者は、19人(34%)が18歳未満の未成年で、残り36人(66%)は8歳から22歳の青少年でした。

 「カサ・アリアンサ」は、ニカラグアでも1ヶ月間に12件、23歳未満の青少年殺害事件があったことを報告しています。犠牲者のうち11人は男子で、事件の半数が銃器によって、残り半数が刃物によって実行されました。このような事件は、1月から3月までの3ヶ月間で、36件にものぼります。また、コスタリカでは、3月に、2歳に満たない男児と女児、2人が殺される事件が報告されました。

 グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの大統領はともに、これらの殺人事件が非行少年グループによるものだと、証拠もなしに決めつけています。が、その根拠のない議論は、彼ら非行少年グループに対する弾圧政策をとるための言い訳に過ぎません。暴力は依然として続いているのです。すべての中米の国々は、国連の子どもの権利条約を批准しています。今度はそれが、実行に移されることが、待たれます。     

 

(翻訳・久野)

 

 

 

 

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