I L O 駐 日 事 務 所 児童労働報告


カカオ 

チョコレートは熱帯のカカオの木から生成される。カカオの木は温暖で雨量の多い気候で育ち、高さは7.5メートルに至る。また、種子のさやは固い殻に覆われ、長さ30センチ・厚さ10センチほどになる。木々は収穫のために約3メートルほど枝打ちされ、種まき後18ヶ月から30ヶ月ほどの間に実をつけ始める。主な産品はカカオバター、カカオペースト、チョコレートリキュール、ココアパウダーなどである。

カカオ産品に対する世界の需要は依然高く、カカオ貿易の83%を3つの企業が占めている。一方、世界の供給量の70%はカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアの小規模農家によって生産されている。他の主要生産国としては、ブラジル、インドネシア、エクアドル、ベネズエラが挙げられる。1998年から2001年にかけて世界の価格指数は半減した。このようなカカオ価格の低下は生産者に打撃を与え、児童労働を余儀なくさせるであろう。カカオの栽培・収穫は労働集約的で多大な時間と労力を要する。主な作業を以下に挙げる。

  • カカオ豆の収穫用機械がないため、手でさやを摘みとる。労働者は高い位置にあるさやを刈り取るために、長い棒にかぎ状の短い刃をつけて使う。熟した実を探しあて、樹皮を傷つけないで切り取るためには熟練労働者が必要とされる。
  • 殻を取り除く。さやはかごに集められ、畑の端に運ばれる。厚い殻はマシェティと呼ばれる長い刃で数回叩くことで切れ目を入れて割ることができる。それからパルプに覆われたカカオの実を取り出し、殻を捨てる。
  • 実を発酵させる。労働者は実を箱に入れて積み上げ、バナナの葉で包む。実を発酵させるため3日間から9日間そのままにして、深い濃い茶色になった時点で作業が終わる。
  • 実を乾燥させる。発酵させた実をマットや積み上げ可能な皿に敷いて太陽熱で乾燥させる。作業速度を上げるために乾燥機を使用する農家もある。
  • 実を60キロから90キログラム入れることができる布袋に詰める。

西アフリカでは、子どもはマシェティを使って畑を切り開き、殺虫剤を使用して、さやの収穫後実を取り出す。また、この地域では子どもを労働力として使うために人身売買や強制労働が行われてきたことが明らかになっている。


主な健康・安全上の問題

  • 力の必要な反復作業や重く扱いにくい荷物をもち運びことによる筋骨格の損傷
  • 熱中症
  • 皮膚がん、熱中症に至る可能性のある高レベルの太陽露出
  • 刃物による傷(擦り傷や小さな傷から重症にいたるまで)
  • 皮膚の擦り傷
  • 殺虫剤の使用と汚染による中毒、長期健康障害
  • 落ちてくるさやとの衝突
  • 蛇咬症、虫刺され
  • 長時間労働
  • ストレス

国際熱帯農業研究所はカメルーン、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリアの4カ国にわたって約1500の農場を調査した。その結果、何十万もの子どもたちがカカオ農場で危険な仕事に携わっていることが明らかになった。最も重要な統計データを以下に挙げる。

  • 284,000人の子どもがマシェティを使って畑を切り開いている。
  • 153,000人の子どもが防護用具なしで殺虫剤を使用している。
  • 他の子どもはカカオのさやを摘み、豆を取り出すため切り開く。
  • カカオ農場の64%の子どもは14歳以下で40%は女子である。

児童労働者の多くはブルキナファソ、マリ、トーゴのような貧しい国の出身である。両親は子どもが仕事を見つけ、家庭に仕送りできると考えて彼らを売る。しかし、一度家庭から離れると少年は奴隷と変わりない状況で働かされる。コートジボワールだけでも約12,000の子どもには親戚がおらず、奴隷として売買されたことを示唆している。

子どもは朝の6時から一日12時間以上働き、常に疲れ果てている。児童労働をしている子どもは他の子どもたちに比べ、就学率が低い。例えば、コートジボワールでカカオ生産に関わる世帯の就学年齢の子どもの三分の一は就学していない。働いていない子どもの64%が就学しているのに対して、就学しているのは34%にすぎない。また現地農家の子どもの71%が就学しているのに対して、移民カカオ農家の子どもは三分の一しか就学していない。

全ての場合において女子の就学率は男子に比べて低い。

このような児童労働者の多くはチョコレートを見ることも味わうこともない。


2001年12月、世界のチョコレート・カカオ産業は共同声明に署名し、西アフリカのカカオ栽培・加工における最悪の形態の児童労働と強制労働を撤廃する必要性を訴えかけた。他には労働組合・非政府組織(NGO)・国際反奴隷制協会・人権擁護団体・消費者団体が署名した。

このような動きにより、2002年7月国際ココア・イニシアチブ(Working Towards Responsible Labour Standards for Cocoa Growing)と呼ばれるチョコレート・カカオ産業の資金提供による基金が設立された。

IPECの西アフリカ・カカオ農業プロジェクトは、コートジボワール、カメルーン、ガーナ、ギニア、ナイジェリアにおけるカカオ及び他の農業部門で危険な児童労働の防止撤廃に取り組んでいる。

I L O 駐 日 事 務 所 児童労働報告
https://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sectorial/agricult/05.htm



フェアトレード&オーガニックチョコレート

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「カカオ貿易の83%は3つの企業が占めています。一方、世界の供給量の殆どは小規模農家によって生産されています。1998年から2001年にかけて世界の価格指数は半減。カカオ価格の低下は生産者に打撃を与え、児童労働を余儀なくさせるでしょう。

国際熱帯農業研究所の調査によると、ある国ではカカオ農園で働く子どもは朝の6時から一日12時間以上働き、常に疲れ果て、カカオ生産に関わる世帯の子どもの三分の一は就学していない状況でした。このような子どもたちの多くはチョコレートを見ることも味わうこともないのです。」


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